
皆さんは、アメリカから上陸したマーターポート(Matterport)をご存じだろうか。?
サンフランシスコにあるベンチャー企業のMatterport社が発売している3Dスキャンカメラを使ったカメラ+サーバーのサービスだ。
以前から注目していたが、この度、2020年5月、東京国立近代美術館で開催される予定だった展覧会がこの会社のカメラとサービスを使ったVRを公開後している。
ぜひいちど見てみて欲しい
休館中のピーター・ドイグ展の無料VRリンクはこちらからhttps://my.matterport.com/show/?m=S9i1qmZrEVQ&
このサービスが日本の現代アート界にもたらす変化をアーティストの立場から解説する。
国立近代美術館のVR公開によってもたらされる美術界の地殻変動とは?
- VR撮影機材を持っていない写真家の仕事はなくなる
- 版画を制作する会社は仕事がなくなる
- 家の本棚がスキスキに

1つ目
超高解像度の展覧会VRは展覧会撮影の写真家の仕事を全て奪い、VR撮影機材を持っていない写真家の仕事はなくなるだろう。
2つ目
巨匠や売れっ子作家のリトグラフや、版画を制作する会社は仕事がなくなるだろう。
なぜならば家庭用プリンターの性能が向上し、元となるデジタル画像は美術館の無料公開するVR画像のスクリーンショットで得られるからだ。
3つ目
展覧会のカタログの必要はなくなり、家の本棚がスキスキになる。
どうしてかというと


美術館の無料公開するVR画像のスクリーンショットでアーティストやクリエイターが引用するデジタル画像を手に入れることができ、必要であればプリンターで出力することができるからだ。
著作権は個人利用であれば問題は無いはずだ。
今回2020年5月20日に公開された東京国立近代美術館のピーター・ドイグ展のVR映像は、これからの美術市場に大きな地殻変動をもたらすのは間違いないだろう。
この展覧会VRオンラインビューイングギャラリーの公開は作家本人の承諾を得ているとは思うが、アーティストや作家にとってオリジナルの作品であることの意味と価値が問い直される。
本棚を圧迫していた有名画家や巨匠たちの作品集がなくなり、最新の世界中で行われている展覧会の情報がVRで閲覧でき、スクリーンショットで自宅で手に入れることができる。
作品集と複製画は無用の長物になってしまうのかもしれない。
さらに、
YouTubeの展覧会紹介では鑑賞時間を撮影者にゆだねてしまうが、VR美術館では、美術鑑賞の本来の魅力である「自分のペースで作品を見られる」と言う欲求が満たされる。

追記
どうも最近VR機材でなく、iPhoneでもできるようになったらしい。
Matterport brings 3D capture to the iPhone
matterport
近々レビューします。
休館中のピーター・ドイグ展が無料VRを公開!リンクはこちらからhttps://my.matterport.com/show/?m=S9i1qmZrEVQ&
すべての作品を高解像度で無料で見ることができます。近美のホームページからでもいけます。
以下VRよりスクリーンショットの引用画像です。
【出典】https://my.matterport.com/show/?m=S9i1qmZrEVQ&back=1
※使用している素材はすべて引用であり著作権を侵害する目的でこのブログを制作しておりません。

美術館のVR公開の問題点
近美「VR無料公開」はアート業界にダメージを与える【民業圧迫】の可能性もある。
コロナの外出規制や美術館の休館による応急処置だっだかもしれないが、
公立美術館は税金で行われており、収益化の必要がない。
ゆえに、ドイグ氏は公開を許可したのかもしれない。
コロナの収束した後もこのような無料VRが公立美術館に使われるのであれば、実際に美術館に行く人の数は確実に減るだろう。