
今日6月27日の産経新聞の記事で兵庫県立美術館館長の蓑豊(みのゆたか)さんの記事が出ていたので抜粋して紹介します。
コロナによって海外の美術館が良い美術品を貸してくれなくなった今、日本の美術館はどのようにしたら良い美術展を作れるか?
その方向性が記されていました。
美術界でも有名な蓑豊(みのゆたか)さんは昭和16年金沢市生まれ。慶応大学卒業後、ハーバード大学大学院で博士号を取得。その後カナダやアメリカの美術館で経験を積む。帰国後、大阪市立美術館や金沢21世紀美術館などで数々の美術展を企画した知の巨人です。
特に興味深かったのはこれからの美術館のあり方です。
3つのポイントに絞って紹介します。
1、美術館学芸員の仕事の方向性
2、ブロックバスター展
3、自館のコレクションの重要性
1、美術館学芸員の仕事の方向性
美術館の学芸員はこれから良い美術展を企画するために、目を養い、良いものをどのように集められるかが問われます。そのためにも海外と交渉のできる語学を持ち、コネクションを作ることで、良い作品を貸してもらえるように交渉する。
2、ブロックバスター展
コロナウイルスで入館の人数制限をされたりするようでは、1枚300億円もするような絵を借りて、今まで開催されてきたロックバスター展(大量動員が見込める名品を集めた大型の企画展)も、輸送における保険が高額になり、美術館の経営が成り立ちません。
3、自館のコレクションの重要性
これからは自館のコレクション(収蔵品)が大切になってくる。 国内の作品を集め、様々な切り口で眠っている美術品を見つけ出し「企画力」を鍛える。なぜならば、まだまだ日本の美術館には日の目を見ないお宝が眠っているからです。
まとめ
今回の兵庫県立美術館館長の記事から学ぶ事とは?
今まで美術館は世界の名品を集めることで集客数を稼ぎ、経営を成り立たせてきました。これからは現代美術の美術展を自らの美術館が企画し、その作家の作品をコレクションすることで、将来的に良い展覧会を開催する下地作りができるのです。
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