
ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)
アートこそ最高の自己実現と心の健康へ通じる道だと、病的なほどの楽観主義で褒め称える。
作品に登場させるのは、未来へ続くことを望む価値
誠実に向き合うことほどパワフルなものはないんだ。
だから、もっとも大きな力を持つアートは、もっとも真実なアートでもある。
ただ挑発するだけのアーティストは、遅かれ早かれ、挫折するね。政治的な主張のために作られたイメージは、パワーを持ち得ない。
自分以外の人間を愛するには、先ず、自己受容が前提だ。一人ひとりが自分の生を積極的に受け容れる助けになりたいと考えている。僕はその変容を自分自身で体験したい。
何であれ、リアリティに関することを語ろうと思えば、必ず対極する概念が必要だろ。闇なくして光は表現できないし、光なくして闇も表現できない。
僕は、かなり早い時期に、可能な限りポジティブなアートを目指すことに決めたんだ。ハッピーな感情は、素晴らしく心を温める武器だからね。
見る人に生命のエネルギーと自信を与えて、最高の自己になること、生を可能な限り熱烈に楽しむことを呼びかける、それが僕の作品の意図だ。
幸福感を誘発するイメージを創造するアートは、未来の世代の存続に貢献するんだ。
アメリカ合衆国の美術家
キッチュなイメージを使った絵画・彫刻作品などで知られる
生年 1955年1月21日 (年齢 65歳)
生まれアメリカ。ペンシルベニアヨーク生まれ ニューヨークから西へ行った場所。ワシントンとの間ぐらい。
最近の彼のニュースと言えばオークションで9,107万5,000ドル(約100億円)で落札されたことですね。
オークションのクリスティーズが「ラビット」に付けた売り文句は、「議論を巻き起こす作品を所有するチャンス」ってね。
ステンレス製の彫刻作品「ラビットってなぜ評価が高いのか
バルーンアートのような曲線と光沢感を施したクーンズの代表シリーズのうちのひとつで、世の中にまったく同じものが4点あるんだって
デビュー
マイヤー・ヴァイズマンというクーンズよりは少し若いアーティストの始めたギャラリーで企画され、発表を始めました。美術の新しい動向に対し、積極的に展示の機会を作るために開いたのです
ジェフ・クーンズ(1985、86年)、ピーター・ハリー(1985、86年)、アシュリー・ピカートン(1986年)と、のちにネオ・ジオの名で括られることになる美術家の個展を次々に企画しました
1986年 ニューヨークのソナベント・ギャラリーで展示されたのはマイヤー・ウィズマン他彼のギャラリーのグループ展でした。ラビットもその時展示されていたという記録が残っています。

「ラビット」は80年代の繁栄(つまり白人男性による支配)のシンボルとして適確に社会をとらえているとニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターとなるカーク・ヴァーネドーに注目されました
クーンズが選んだ空気で膨らませるオモチャの風船ウサギは
デュシャンの便器からはじまる近代美術のメカニズム。つまりできるだけくだらないもの、意味がなさそうなものだったのです。
それが美術史の文脈に沿っていて、時代を担うベストな作品であり、アーティスト クーンズだということになったのです。
もうすこし具体的にいえば
風船ウサギはダダのオモチャまったくの無価値ですよね。
無価値なものが美術作品であることで経済的価値を得ることに成功すれば、デュシャ便器での試みをより現代的に美術のメカニズムを参照・踏襲し結晶化し、達成することになるんです
彼自身もものすごい勉強家で
_アートの案内役として素晴らしかったのはデュシャン。僕は彼とアンディから生まれたんだ。デュシャンは、アンディと僕の共通のおじいちゃんというわけだ。_
と言っています
その後
著名人のポートレイトをウサギと同じステンレススチールで再現します

マイケル・ジャクソンとペットのサル
作品におけるキッチュさを推し進めていきます
動画でも説明していますわかりやすい方でアーティストを理解してください。
わたしはクーンズの92年のドイツのドクメンタ5で発表した高さ約12メートルの像に7万本の花を植え込作品【パピー】をスペインののビルバオ・グッケンハイムで実物を見ましたが、なんだろう?って感覚がいい意味で記憶に残っていますよ
80年代後半ー世界の中心ニューヨークのアートのブームは美術をめぐる主義主張を競うイズムの時代からファッションを参照し、アートの変遷を一種の流行現象のように捉えるモードの時代に激変していて、作品を先行するモードで「刷新(ネオ)」するという「アートのモード化」時代になったのです
そして
ジェフ・クーンズのラビットはファッションアイコンとして時代にフィットしたんですね
「H&M」コラボレーションのアート作品
レディー・ガガ(Lady Gaga)のアルバム「アート・ポップ」のジャケットのためにガガをモデルにした大型彫刻作品
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボコレクション
Stella McCartneyとのジュエリー コレクションなど、創作
などなど、アートのモード化時代を先導するアーティストになったのです。
ではざっと彼の経歴を見てみましょう
シカゴ美術館附属学校_メリーランド美術大学大学院_77年ウォール・ストリートの仲買人として生計を立てながらアーティスト活動をはじめます

蓄えのあるアーティストは、アート市場の嗜好に合わせる必要がない。ウォール ストリートで1日100万円稼いだおかげで、僕は、僕自身が思い描いたアートを忠実に実現する自由を手にしました
【金は目的を達成するための手段だし、金があることで、アーティストとしての自主性を持てたんだ。】
7歳のときに絵の個人レッスンを受けて、9歳の頃には、18世紀以前に活動していた優れた画家たちの絵を複製して売り始めます
クーンズの父はインテリア デザインと家具の販売で成功した人で、
通行人の目を引くために、店舗のウィンドウに僕が描いた絵を置いていたんだ。
15歳になると、もっと号数の大きい油絵を描くといい、とアドバイスしてくれた。
値段は8万円くらいだったな。稼いだ金は、車を買うために貯金したんだって
21歳の時パティ・スミス(Patti Smith)の声、彼女の歌に込められたメッセージで、ニューヨークへ出てアートでやっていけると信じる勇気が生まれたんだってなんてエキセントリック!!
目標に近づくために、毎週毎週、近代美術館の仕事に応募し続けて、ようやく受付の仕事をもらって。仕事以外の時間は、絵を描いて、今では一部の人に ごく普通のものをリサイクルして吐き出しているといわれている 掃除機や子犬、バスケットボールといった日常生活にあるものの彫刻を作ってたんだって。
美術館の受付では
目立つ服を着て、 紙の胸当てとか、ネクタイ2本とか、空気を入れて膨らませるビニールの花の首飾りとかを身につけて美術館で展示している作品の説明をしていたんだって! ザ・アーティスト
ニューヨークへ移った1977年から、ウォーホルが亡くなるまでにまだ10年ありましたが、どうして会いに行かなかったのか?という質問には
偶然出会ったことは2回ある。アンディは、ファクトリーでは彼の世界に心酔した若いアーティストたちに囲まれているという話だったし、僕自身は、そういう従順な弟子の一員になる気はなかったから。
僕は、自分自身のやり方で、まだ誰も通ったことのない道を見つけたかった
と答えています。大樹の下では育たないと言ったブランクーシとジャコメッティの話のようだね

さらにこのように言います
苦悩する魂だけが偉大な芸術を創作できるというのは、陳腐な考え方だな。
僕は恵まれた子供時代を過ごしたし、いつも励まし支えてくれた両親にはとても感謝している。
権威や流行に従うより、僕独自の視点を信頼することを、アートが教えてくれて、一歩ずつ先へ進ませてくれたんだ。
アートをビートルズになぞらえていますが類似点は?
反エリート的で、
メインストリームで、
民主的なところ
一握りの内輪の人間しか理解できない表現を使ったアーティストの作品は、結局、ほとんどの人に無視される羽目になる。
僕の作品はできるだけ多くの人に呼びかけるためだから、見る人の教育の有無は問題じゃない。
僕と反対なのは、非常に外部から遮断された作品を作って、見る人を圧倒したり、卑小に感じさせるアーティストだ。
アートは無力感や差別を生み出すこともできる。だから僕は、アートを台座の高みからひきおろすのは正しいことだと思う。
美しさを感じる基準に、良いも悪いもないさ。美的な良し悪しを主張する人は、実際には存在しない、アートの権威をでっちあげてるだけだ。
アート作品の値段とは
金を払えないことがどんな気分のものか、僕は駆け出しのときから知ってる。
どんな値段がついてもそれで作品の価値が変わるわけじゃないが、それで注目されて、
アーティストとしてのプラットフォームが広がるチャンスになる。
僕は、誰にも見てもらえない淋しい作品を作る気はない。僕が表現したアイデアや価値観を、できるだけ多くの人に語り合ってほしい。
クーンズは自分のアートを自分の手で作ることは20代半ばの若さで止め、300平方メートルを超えるスタジオで、130人前後のアシスタントがあなたのアイデアを形に変える作業をしています
1年に、絵が7~10点、彫刻が15~20点。
私たちが想像してるより、はるかに少ないですね
性をテーマにした90年代前半の一連の作品について親権を争っている前妻 ポルノ女優だったチチョリーナに作品「Made in Heaven」はアートではなくてポルノだと主張され、ポルノを作る人間に子供は任せられないと主張したので、そのシリーズでまだ売れずに手許にあった作品を、全部破壊したそうです。
まとめ

社会批判のためにアーティストが作品に織り込んだパズルを頭の中でひねくり回すより、子供のような無邪気な驚きを感じるほうが、理解のレベルは高いんだと。そして、幸福感を誘発するイメージを創造するアートは、未来の世代の存続に貢献するんだ。
このような信念をもって作品をつくっているんですね。
かれは、月曜から金曜まで毎日12時、ジムで1時間のトレーニングを欠かさないそうです
なぜなら
回復力のある強靭な体を維持して、年をとってからもアーティストとして活動したいからで、ピカソ(Picasso)やサイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)だって、もっとも崇高な作品を作ったのは、80を過ぎてからだと
次に創造するものを考えない時間は、1分たりともないんだ。
さあ、わたしたちも体を鍛えて制作しよう!!
画像映像出典
- https://wired.jp/2019/05/29/how-jeff-koonss-rabbit-became-big-game
- https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/art-ja/wheat-beer-with-a-side-of-warhol-in-conversation-with-jeff-koons?lang=ja
- https://www.artpedia.asia/jeff-koons
- https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/art-ja/wheat-beer-with-a-side-of-warhol-in-conversation-with-jeff-koons
- https://www.art-it.asia/top/contributertop/200683