
皆さんこんにちは
奇才展行ってきました。
マスク着用や検温検査があったものの、来館者が非常に少なく、とても空いていました。
ぼくも公共交通機関に乗るのがちょっと心配だったので、車で50分かかるんですが、行ってきました。
まず全体の印象としては、もっと作品数があってもよかったんじゃないかなと思います。1人の芸術家について3枚は欲しいところですよね。
まぁさすがに35人も集めているので、深掘りするのはなかなか難しいんでしょうね。
お気に入りの作家を見に行くと言うのがいいかもしれません。
蠣崎波響

まず第一目標だった、蠣崎波響の『御味方蝦夷図おみかたえぞのずomikawa-ezo-zu』ですね。これはブザンソンの美術館に『夷酋列像いしゅうれつぞうishu-retuzo』真筆11点と呼応したもので、函館市中央図書館の2点が展示されるということだったんですけど、残念ながらイコトイとションコのうちションコが展示されていませんでした。
というわけでおそらく展示替えで次回展示予定だったのかもしれません。
きっと博物館の裏にあったでしょうか?
見せて欲しかったですね。
イコトイの感想は大変に素晴らしかったです。
もうほんと最高です。
ただ保存状態が良くないです。絵巻物、掛け軸なんで折れ目がついてるんです。
これほんと変えたほうがいいと思います。
美術館の大事な宝物です。掛け軸っていうのは、、もう伝統は確かに大事なんですけど、ピット伸ばして保存ケースに入れて、虫に食われないように変えたほうがいいんじゃないかと思います。
狭い日本でもやっぱ宝物は大事にしましょうよ。ブザンソンの夷酋列像は見つかった時、箱に入ったみたいです。箱に入っていたって事はシワがないんです。保存状態。とても大切だと思います。
絵金

次に見たい!と言っていたのは、絵金ですね。高知の祭りから飛び出してきました。
ついに見ることができました。しかも4点も展示されていました。
これ最高でした。
タイトルのキャプションにある物語を読むと、まさにその情景が描かれていて一枚の絵の中に時空が入り込んで来る。最高です。
2点が人形浄瑠璃、2点が歌舞伎の題目だったんですけど、まぁね大迫力です。きっとお祭りで夜、ろうそくの灯りで見るよりもしっかりと構図や色使いが見えたと思います。
絵金の何が素晴らしかったかというと、
まず女ですね。これ最高です。
『東山桜荘子 佐倉宗吾子別れ』ですね。

これは、家族の4人の子供たちと奥様を置いてお殿様に陳情に行くんです。
その時の奥さんの悲しい目。
この目は必見です。もう誰にも描けません。まっすぐに切りさかれたような切れ長の瞳。いやこれはねー、絶対見た方がいいです。
それから、すべての絵金の絵に共通しているんですけど、女の手の表情が最高ですよ。
特に『花衣いろは縁起』

信じられない、子供が鳥にさらわれてしまうのを、右下から左上に伸び上がる構図。勢い。これ最高ですね。
そしてその動きを止めるように左右に開いた両方の手からほとばしる感情表現。最高です。
他にも超いろいろ言いたい事あるんですけど、次です。
菊図
他に誰が素晴らしかったと言えば、ぼくの出身地信州松本にも近いですよね。小布施にある高井鴻山の『菊図』ですね。バリバリ素晴らしかったです。
菊の花はお葬式とかお盆などに使われる華ですけど、ものすごく上品に描いています。
世界のHOKUSAI
そして忘れちゃいけない葛飾北斎ですね。
今回すごく大きなのが出てました。2メートル×1、5メートルぐらいある。
最高に素晴らしかったです。
絵のタイトルは『弘法大師修法図』ですね。

これは西新井大師總持寺に所蔵されているものなんですけども、最高です。
もう超ダイナミックですね。鬼の表情、弘法大師の構図。まぁ驚きの絵です。
奇才展は基本的に水墨画の白黒の絵の多い中、突然くるから北斎の絵が最高にかっこいいです。
後はまぁ若沖(わかおき)ですね伊藤若冲(ジャクチュウ)ですか。
展示替えがあったみたいなんですけど、僕が見させていただいたのは、『鶏図押絵貼屏風』ですね。
かっこいいっす。参りましたって感じのスピード感、いさぎよさがあるんでぜひ見て下さい。
この後 奇才展 は山口県立美術館 大阪あべのハルカス美術へ巡回します!!

それではまたお会いできることを楽しみにしています。

いつか残りの一点を発見されることを願い【夷酋十二列像】と言いかえても良いと思います。
わたしは蠣崎波響 【夷酋列像】のフランスのブザンソン美術館からの返還を望みます。
日本国内での返還への気運を高めるべきです。
円山応挙になぞらえた松前応挙にとどまらず、ぼくはこの作品を【東洋のフェルメール】と呼びたい。