芸術家

あなたが傑作について知らないかもしれない事実.明確な答えは1つだけだった.アビニヨンの娘たち (Les Demoiselles d’Avignon) 【ピカソ】

投稿日:2020-06-13 更新日:

ピカソの絵はどうして凄いのか?

1916年に初めて展示されたとき、その絵画は不道徳と見なされていました。

すべてのキュービズム運動の共通のキーワードとなる曲線の不釣り合いを前面に出した作品です。

この作品で、ピカソはキュービズムへの道を開き、絵画における身体の表現に革命をもたらしました。

写真の登場で、もはや絵画における遠近法という形式と視点に厳密に忠実であり続ける必要をなくしてしまったのです。

source https://www.pablopicasso.org/avignon.jsp

この絵画、アビニヨンの娘たち (Les Demoiselles d’Avignon)「レデモワゼルダヴィニョン」は1907年に描かれたもので、キュービズム絵画の最も有名な作品です。

ピカソはすべての既成概念と伝統芸術の表現を放棄しています。

彼は女性の体の歪みと幾何学的形状を革新的な方法で使用し、「絵画が女性の美しさの理想的な姿」を提供するという期待に真っ向から闘いを挑んでいます。

1972年、美術評論家のレオスタインバーグは、彼の記事「The Philosophical Brothel」で、

「スタイルの種類は意図的な努力、慎重な配置として見られるようになっている」と主張しました。

彼は、5人の女性全員が離れて見え、お互いに完全に無意識であることを見つけたのです。

むしろ、それらは視聴者に特異的に集中しているのです。

フランシスコ・デ・ゴヤの「裸のマハ」source https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Goyas_Majas.jpg

スタインバーグによると、「逆視」つまり、人物が観察者を直接見ているという事実と、もはや男性の視線の喜びだけのためではない、女性の自立を表しているのです。

それは、私物を持っている女性の考え。自分の体は自分の物という意味です。

ピカソが尊敬していたフランシスコ・デ・ゴヤの「裸のマハ」に通じるものがあり、エドワールマネの「オリンピア」1863年にも通じるものがあります。

エドワールマネの「オリンピア」1863年 source

絵画の中の仮面は、アフリカだけでなく古代イベリア、現代のスペインとポルトガルの芸術も含む、原始的な芸術に対するピカソの趣味を反映しています。

プリミティブアートで使用されているシンプルなフォーム、角度のある平面、大胆な形状は、アーティストの再構築に役立ちました。 

今から100年前。カメラがこの世に登場したことによって、絵画は目に映るとおりに描くものという従来の絵が崩れ去り、アートにしかできない絵画を模索しました。

ピカソも本物らしさとは?現実とは?真実とは?本質とはいったいなんだろう?と考えます。

500年前のルネサンスの時代に、遠近法という明確な「答え」が出ていました。

絵の本物らしさを追求したければ、遠近法の技術を応用すればいいのです。

しかしピカソは、「今までの正解」では満足しませんでした。

彼は1つの視点から見た世界という遠近法に疑問を持ちました。

わたしたちは、3次元の世界で、五感をフル活用してものごとをとらえているはずです。

遠近法に疑問を持ったピカソは、模索した結果、原始的な造形物を参考にしながら、さまざまな視点から認識したものを1つの画面に再構成するという答えに行きつきます。

ピカソは、ポールゴーギャンの1906年の美術展のタヒチジャーナルにあった原始的な彫刻も参考にしました。

ポールゴーギャン source

その結果生まれた作品が、《アビニヨンの娘たち》です。

1907年アビニヨンというのはスペインの地名で、アビニョ通りには売春宿があり、そこの売春婦たち5人を描いたもので、正面から、真横からと、見たものが組み合わさっています。

顔や身体の色が、突然変化してするところは影と光を1つの顔の中に組み合わせているのです。

この絵には、いくつもの視点を、ピカソによって再構成され、実際の女性からはほど遠いように考えられがちな《アビニヨンの娘たち》ですが、ピカソはこの絵に、今まで絵画技術の遠近法では到達できないような「絵画にしかできないこと」を求めていたのです。

だからこそ、「今までにはない表現を常に探していくこと」がピカソ以降の芸術家の役割となったのです。

それをピカソの絵アビニヨンの娘たち (Les Demoiselles d’Avignon)が教えてくれているのです。

-芸術家

執筆者:hideki

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