
コロナ自粛が続く中、企業がビジネスの世界にアートを取り入れる試みが活性化している。
本稿ではアート思考がビジネスにおける影響と、現時点での日本と世界のアート市場を比較して見ていきます。
SMBC信託銀行は2019年9月、現代アートが生み出す世界観を体験できる店舗「アートブランチ」を期間限定で日本橋支店に設置いたしました。

世界で活躍する現代アーティストの作品に触れる機会をビジネスマンに提供いたしました。
大きな流れは海外のアートに対する関心度の高さからです。
海外では、ここ20年ほどでアートが不動産と並んで優良資産として認知されるようになりました。
大手のギャラリーの巨大化、資産x投資ビジネスの巨大化がダイナミックに起きています。
その結果、村上隆や奈良美智といったブルーチップと呼ばれる人気作家の作品は資本力の高い海外のギャラリーが取り扱うように変わってまいりました。

現在のアート市場の状況を見てみると、2019年の世界における美術品市場は約6兆7500億円ですが、国内は推計2580億円にとどまっております。
世界と日本とではアート市場にはまだまだ大きな差がございます。
日本国内には美術品を蒐集するコレクターが少なく、売れる価格帯も100万円以下が半分を占める状況でございます。
海外と違い、“アートは資産です”という認識が浸透していないのが大きな理由でございます。
近ごろでは、アーティストのような発想で考える「アート思考」という言葉が聞かれるようになっております。
そもそもアートとビジネスの関わりについてイメージのつかない人も多いとは思いますが、
なぜ今、「アート思考」なのか。
企業ブランドやビジネスそのものをこれまでにない方向に発展させる「ビジネス×アート」
コロナでリモート会議に全企業が対応を迫られる中、いち早くあらたしい発想力を取り入れた企業が成功しています。
ビジネスにおける経営者はアート思考によって、誰にも真似できない新たな発想が、今。求められているのでございます。