「アナザーエナジー」:70代以上の女性作家たちが放つ、表現の圧倒的強度

森美術館で開催された「アナザーエナジー展」は、50年以上のキャリアを持つ女性アーティスト16人に焦点を当てた、極めてエネルギッシュな展覧会だ。71歳から105歳という、今なお現役で挑戦し続ける彼女たちの姿は、表現の本質とは何かを私たちに問いかけてくる。

マテリアルへの執着と独自の造形言語

特に注目すべきは、フィリダ・バーロウの段ボールや工業用材料を用いた巨大なインスタレーションだ。安価な素材が積み重なり、物質としての状態変化を剥き出しにする様は、彫刻家としての私の目にも非常に刺激的に映った。また、三島喜美代氏の陶による新聞や空き缶の表現など、素材に対する飽くなき探求心が、作品に唯一無二の強度を与えている。

ダイバーシティの先にある個の力

ジェンダーや人種といった社会的文脈を超え、ただひたすらに「つくること」を継続してきた彼女たちの軌跡。そこには、流行や市場に左右されない、表現者としての真の自律心がある。キャリア50年を経てなお更新され続けるその「エナジー」は、若手のみならず、すべてのアーティストにとっての道標となるだろう。